Chelsea vs Liverpool 03/01/2022

YouTubeに関してはそれぞれのチームの公式 channel がHighlightsの映像を挙げています。一応、LiverpoolのHightlightsを引用します。また、statsと画像についてはPremier Leagueの公式サイトからの引用になります。リンクはそれぞれ貼っています。

イングランドのリーグではボランチが実は重要な役割を果たします。この対戦でもそうでした。戦術分析については、世界中の戦術分析好きがLiverpoolの分析をおこなっています。今回は私なりの分析のやり方をしてみたいと思います。

https://www.premierleague.com/match/66544

では、Liverpoolの基本戦術をみてみましょう。

なぜ、Liverpoolが強いのかというと、Klopp監督のオーガナイズする戦術ブロックがかなり理にかなっていて、しかもプレミアの伝統とは一線を画す戦術ブロックの構築をおこなっているからです。システムは4‐3‐3です。

判りやすさを重視して、かなり図式化しました。DF陣(LSB、LCB、RCB、RSB)とMF陣(LMF、CMF、RMF)とFW陣(LSHとCFとRSH)で役割分担をしています。基本的に分業制です。DFの4枚は普通にCBsとSBsになります(名前を記載しているのでCBsの距離感をちょっと狭くとってあります。ごめんなさい)。中盤の3枚がそれまでにプレミアになかったアイディアで試合を展開するんです。この3枚は横にそのまま左右にスライドをすることによって攻守のカギを握ります。つまり、AMFとDMFという概念ではなく、フラットに3枚ならんでいるんです。基本的にはそうです。この3枚の左右へのスライドの動きによっては、3番のFabino選手がAMFの役割を果たしたりします。それは、この3枚があくまでフラットな関係性を構築しているので可能なのです。次にFW陣ですが、両SHはかなり高い位置に張ります。基本的にCFは低めの位置をとり、FW陣だけでゼロトップを作っています。LSHのMane選手とRSHのSalah選手が2トップのような形をとり、本来ならばCFのJota選手は1.5列目にポジショニングをとります。SHとCFのポジションを逆にしてあるので、対戦相手は捕まえずらいのです。試合展開のなかで本来のCFのポジションと両SHのポジションをとることもあります。SHのポジションで前線に両SHが張っているので、相手の最終ラインからするとうまくはまらないというケースが出てくるんです。相手のCBsからすると捕まえづらいポジショニングになります。

なので、強いんですよ。

また、MF陣は左右にスライドしながら、DMFとAMFになって攻守を担うこともあります。先ほど触れたように、試合展開によってはFabino選手はかなり攻撃的なポジショニングをとるんです。分業制と攻守の縦の関係性を大事に試合展開をしてくるので、対戦相手がとてもてこずるんです。選手はお互いの距離感と、CFとMF陣の中央を担う選手の縦関係を指標にしながら動くので、戦術をきちんと体に落とし込んだ場合には可動域がはっきりするので戦いやすいのです。

なので、強いんですよ。

リバプールを観ると、ドイツ人の監督って(全員が全員なわけではないでしょうが)とっても理にかなった戦術を組むんだと思ったんです。選手は戦術を覚えるまでは、かなり苦労するはずです。ただきちんと基本を身につけると応用は効くんです。

一方、Chelseaですが、今季からTuchel監督になっています。ただし、最初からChelseaのシステムを改革することはできません。プレミアの場合は特になのですが、それぞれのチームの基本の戦術というのがあって、新しく着任した監督はまず戦術構成を理解するところから始めて、チームに監督がアイディアを吹き込むときには微調整から行うのが伝統になっています。急激に変更をすると戦術がチーム内に浸透しないままに試合を組むことになるので、大抵負けます。個人的に近年のChelseaで好きだったのはConte監督の時のChelseaです。そのとき優勝したんですが、当時からいるAlonso選手が、そのときインタビューで練習きつかったですって正直に言っていたので、相当だったんだろうなと思います。Alonso選手って愚痴言わなさそうでしょ?だから、きつかったんだと思います。

そのChelseaの基本的な戦術です。

最終ラインは3CBsですが、中央のCBがドイツリーグのリベロみたいに左右のCBsを支える位置まで落ちています。今季このまま行くのかどうかはわかりません。左右のWBは攻撃的なポジショニングも取れば、守備も頑張っています。WBが攻撃的なので、最終のCBsの3枚はラインコントロールができるようになっています。ボランチはイングランドのMFsで左右のMFとも攻守ができるようになっていて、配給やボール奪取、相手の攻撃の芽を摘むなど通常の役割を担っています。攻撃のFWsは自由に動いています。左右で入れ替えもできますし、3枚で回転できるようにもなっています。それだけ相手につかまりづらいポジショニングを取ります。WBは攻撃的で、特にこの試合に関しては、LWBのAlonso選手が積極的にカットインして攻撃に絡んでいました。

かなり図式的ですが。以上が両チームの基本的な戦術になります。

まず、LiverpoolのHighlightsをみてみましょう。

Chelseaはかなり最初苦戦します。

なぜなら、Liverpoolの分担作業は徹底されているからです。

実際の試合になるとCFと左右SHの関係性とMFsの関係性はここまで違うんです。サイドのボール奪取からの攻撃なんですが、MF陣とFW陣でこれだけ左右のスライドが逆にずれていると、Chelseaの選手たちはどこをカバーすればいいのだろうと悩むんだと思うのです。Jota選手はMane選手の前のスペースにボールを配給します。Chelseaサイドからするとミスが誘発されるんです。最終ラインの3枚はバランスを取ろうとするんですが、LiverpoolはFW陣とMF陣で左右にスライドが逆になってもきちんと動けるように整備されているので、混乱するのはChelseaの最終ラインになります。

日本人の解説者がよく「インサイドハーフ」というポジション名に言及することがありますが、イングランドリーグにはそんなポジション名はありません。ただし、よくボールを通したがるスペースは実はあります。

ボールを持っているのはSBのAlexander-Arnold選手ですが、ペナルティーエリアの角のあたりにボールを通そうとする姿勢はプレミアにはありますが、インサイドハーフというポジションもなければ、スペースに対する名称もないような気がします。日本語英語なのでしょうか?いまいち「インサイドハーフ」の意味や語源は理解できませんが、英語にはその概念は存在しません。

次にChelseaのHightlightsを探してみてください。そこから引用しています。

この場面は惜しかったのですが、Kante選手はこの試合ずば抜けていました。

Liverpoolの選手たちは当然ですが、スペースを消しに囲みに来るんですが、ボールを持ちながら、その隙間を狙ってボールをスペースに出すんです。Kante選手が何がすごいかというと、中央のスペースをドリブルで斜めに突破していくんですよ。誰も捕まえきれないんです。

この試合はドローでしたが、その理由は、最後の15分くらいだと思いますが。練習をきちんとChelseaでやっているのかどうか怪しいという別のシステムを導入してきたんです。一時的なものなのか、これから落とし込もうとしているのかどうかは理解できないので、図式化は避けますが。

Tuchel監督が自分のカラーを出したいと焦っているのだとしたら、ここから自滅する可能性もあるので、出来たら避けてほしいなと思っています。最後の15分を観る限り、まったくシステムとして機能していたとは思えないんです。伝統的にイングランドのリーグというのは複数ポジションをこなす選手はあまり見られないんです。複数ポジションをやる必要性はないんです。それだけ選手層が厚いので。トップのCityが勝ち点53ですが、独走というには微妙な時期なのです。勝ち点の差は10ですし。この時期からシステムに改革をもたらそうとしてもおそらく得るところはなく、失うものの方が大きいような気はします。

布陣変更がなかったら、この試合は最終的にどっちに転んでもおかしくなかったので。

どうなんだろうなと思っています。

Klopp監督は早くピッチに帰ってこれるといいですね。

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